シンメトリック社の「早期発見プラス」は必要なものがすべて揃っていました!


 

「早期発見プラス」は、トリアージの概念をベースに3次元CGによるビジュアルを多用した介護用のプラットフォームです。高齢者の健康上の問題や機能低下を見つけ出し、迅速な対応を実現します。

福祉テクノロジー先進国であるデンマークのエラルド(Allerød)市では、シンメトリック社が開発した「早期発見プラス」をいち早く導入し、機能性とデザインの向上にご協力いただきました。そこで私たちはエラルド市の予防医療コンサルタントであるアンネメッテ・サーンセンさんに「早期発見プラス」を導入する前と導入後の変化について話を伺うことにしました。

アナログのパネルからデジタルプラットフォームへ

エラルド市のホームケア課では「早期発見プラス」を導入する数年前からトリアージの概念を取り入れ、早期発見を目標に業務を行っていました。しかし私たちは登録からフォローアップまで一貫したシステムを持っていませんでした。そこで、高齢者の健康状態を色で振り分け、表示できるパネルを手作りして実験的に使っていました。最初はパソコンからスクリーンショットした画像を印刷してラミネートをしたパネルを作って使っていました。でも、それはとても不便なものでした。最も困ったのは統計的な情報を取り込めないことでした。その後、シンメトリック社の「早期発見プラス」に出会いました。そのプラットフォームは、私たちが必要としていた機能をすべて備えていました。

介護士とヘルパーさんは高齢者を訪問する際に自身のスマホアプリを使って健康状態の記録を登録します。そうするとダッシュボードに高齢者の最新の健康状態が登録され、すべてのスタッフが共有できるのです。これにより私たちの作業はシステム化され、緑・黄・赤のトリアージ・カラーでグループ分けされた高齢者の健康状態を一目で、総合的に確認することができるようになりました。「早期発見プラス」はとても使いやすく、簡単にアクセスできます。スタッフは誰でも、必要な情報をコンピュータからでも取り出すことができます。エラルド市のホームケア課の介護関係スタッフは全員がシステムを使用していて、市の老人ホームでもカスタマイズしたシステムを導入する予定です。エラルド市の看護師は登録された情報をもとにグループ全体の統計を取り、データ分析に役立てています。

◆「早期発見プラス」がより高品質なケアを実現

私たちは、「早期発見プラス」を導入することで、高齢者が一人でも多く病院へ入院することを改善したいと考えていました。最新の統計結果から「早期発見プラス」を導入した後は、確実に入院数が減少しました。そしてもっと驚いたのは私たちスタッフの日々の作業内容を高品質なものに変えてくれたことです。

この4年間、高齢者の入院を減らそうと思いながら「早期発見プラス」を使用してきました。「早期発見プラス」を導入するまでは、それは夢のような話でした。「早期発見プラス」を導入する前のトリアージは、単なる予防ツールでした。でも「早期発見プラス」を導入したことでトリアージを含む全てのツールが 相互に連動し、より質の高いケアを実現することができました。現場での作業品質が向上したのです。

介護士やヘルパーさんは、高齢者が入院しないようにするにはどんなケアをすればよいのかを考えるようになりました。「早期発見プラス」を導入する前は高齢者をトリアージでグループ分けしていましたが、その後の具体的なケアプランがありませんでした。現在、私たちは高齢者の健康状態をトリアージで判断して、適切な対策をとるために合同ミーティングをするようになりました。「早期発見プラス」は私たちの作業に新しい風を吹き込んだのです。

共通言語を持つことでプロ意識を高めてくれまし

 介護スタッフといっても看護師、ソーシャルヘルスケアアシスタント、ヘルパー、栄養士、理学療法士など様々な人がいて、それぞれが専門知識を持ったプロ集団です。それぞれが専門家だけに、共通の言語があるようでなかったのです。でも、「早期発見プラス」の分かりやすい、ビジュアル化されたデータを見ながら行う合同ミーティングが、そんなスタッフのプロ意識を向上し、コミュニケーションを促進してくれました。

つまり「早期発見プラス」のトリアージ・カラーが共通の言語になり、“赤”の高齢者に対してはそれぞれが何をすべきかをすべてのスタッフが認識するようになったのです。

「早期発見プラス」のもう一つの大きな効果は、トリアージ会議を開催することでスタッフ同士の経験を共有し、スキルを強化できることです。研修中の新人はこの会議中、先輩の横に座りながら豊富な経験に裏打ちされた意見と助言を聞くことができます。病院に勤務した経験がある新人看護師も、在宅介護特有の知識を新しく得ることができます。このトリアージ会議で、担当外の仕事にも理解を深め、お互いが助け合い、経験を積むことができるのです。これは特に強調したい特長です。

◆「早期発見プラス」は単にコストを削減するためだけのツールではありません

不必要な入院を未然に防ぐことを目的とした「早期発見プラス」の重要性は、地方の介護行政だけでなく国家の政策上からもたいへん注目されています。「早期発見プラス」の導入は、エラルド市の在宅介護者の健康上の異変や機能の低下の早期発見に大いに貢献しています。そして介護スタッフだけでなく政治家に対しても早期発見の重要性を認識させることができました。

私たちはエラルド市の市庁舎で、政治家に対して「早期発見プラス」の重要性についてプレゼンテーションを行いました。「早期発見プラス」は、たんにコストを削減するためだけではなく、ひとり一人の高齢者に自分らしい質の高い生活を送ってもらうためにこそ必要だということを訴えました。私たちは、ひとり一人の高齢者が住み慣れたこのエラルド市の住み慣れたご自宅に、可能な限り長く住み続け、自分らしい快適な暮らしを送ってほしいのです。

使えるだけではなく、本当に使いたシステム

シンメトリック社は、現場のニーズにマッチした最適なシステムを提供してくれました。これはみんなが望んでいることではないでしょうか? 新しいITシステムを導入すると、今までの仕事がより難しく、面倒になってしまうのではないかという不安がありましたが、本当に活用できるシステムにするためにはユーザーである私たち自身が積極的に関心を持つことが重要だと思います。

シンメトリック社は私たちの疑問や問い合わせにも即座に、快く対応してくれました。そのお陰で「早期発見プラス」は私たちがただ使えるというだけではなく、積極的に使いたいと思うシステムになりました。「早期発見プラス」の導入で、現場の仕事のやり方が格段に改善したとスタッフ全員が実感しています。

私たちは上から与えられたから導入したのではなく、現場のスタッフや新入りのスタッフがきちんと使えるシステムが欲しかったのです。なぜなら、介護の仕事は自ら得た経験が最も重要だからです。現場のスタッフの意見や要望には、いつも耳を傾け、即座に対応するようにしています。

介護の現場で働くスタッフは、システムの導入を待ち望んでいました。シンメトリック社の社員は現場を訪れ、スタッフに必要な項目や作業の流れなどを、時間をかけてじっくりヒアリングして要望をリスト化してくれました。だから実際の現場で効果的に使えるシステムにすることができたのだと思っています。